投資を続けていると、時に忘れられない「お別れ」がやってきます。私にとってその時が、ついに訪れました。長年、我が家の食卓を彩ってくれた**伊藤忠食品(2692)**のTOB(株式公開買付け)です。
家族を笑顔にした「魔法のカタログギフト」
私が伊藤忠食品の株を手に入れたのは、まだ株価が2,933円だった頃。100株を保有し、株主優待を目的にのんびりと持ち続けてきました。ここの優待の素晴らしさは、なんといってもWEBで選べるカタログギフトの充実度です。
夏に届く、冷えたカルピスギフトのワクワク感
食卓がパッと華やぐ豪華なハムセット
自分へのご褒美に選んだ、宝石のようなスイーツたち
届くたびに「どれにする?」と家族で画面を囲む時間は、数字上の配当金以上に価値のある、幸せなひとときでした。
突然のTOB、そして驚きの「13,000円」
実は、お恥ずかしながら今回のTOBには全く気づいていませんでした。2月25日にプレスリリースが出ていたのですが、日々の忙しさに追われ、株価をチェックするのも忘れていたのです。
そんな私の元に先日、一通の分厚い封筒が届きました。「公開買付関係書類」と書かれたその書面を見て、ようやく事態を把握したのです。
慌てて内容を確認して、さらに驚きました。提示されていた買い取り価格は、なんと1株13,000円。 29万円強で投資した株が、気づけば130万円の価値になっていたのです。売却益(キャピタルゲイン)は約100万円。優待を楽しんでいる間に、資産もしっかりと育ってくれていた。まさに投資家冥利に尽きる展開となりました。
嬉しさと、少しの寂しさと
13,000円という高値での買い取り提示。資産が増える喜びはもちろん大きいのですが、正直なところ、それ以上に「あの大切なカタログギフトがもう届かないのか」という寂しさが込み上げてきました。
投資家にとって、優待株は単なる数字ではありません。家族との思い出が詰まった「コレクション」のような側面があるのだと、改めて実感した瞬間でした。
なぜ、私の持ち株はTOBされるのか?
実は、我が家ではTOBによるお別れはこれが初めてではありません。過去にはアルプス物流、最近ではMCJと、大切に持っていた銘柄たちが次々とTOBの対象になりました。
20年投資を続けてきて感じるのは、TOBを引き寄せる銘柄には共通点があるということです。私の銘柄選びの基準はシンプルです。
PBR(株価純資産倍率)の割安性: 企業の持つ本来の価値に対して、株価が正当に評価されていない時期に拾うこと。
社会的な必要性: 「このビジネスは世の中に欠かせない」と、自分なりの確信が持てる会社であること。
「良いものを安く買う」という実直なスタンスが、結果として市場や他社からの高い評価(TOB)に繋がったのかもしれません。
次なる「優待の旅」へ
今回のTOB、私は市場で売却せず、野村證券を通じて公開買付けに応募することに決めました。少し手間はかかりますが、提示された価格できっちりお別れをする。これも、長年寄り添った銘柄への一つの区切りだと考えています。
愛着のある銘柄を手放すのは寂しいものですが、投資の世界は常に前を向かなければなりません。伊藤忠食品が残してくれた約130万円という「次のチャンス」を元手に、また家族が喜び、長期で応援したくなるような新しい優待株(ヒューリックやカネ美食品など)を探しに行こうと思います。
「次は何を狙っているの?」と、すでに家族からはリクエストが飛んできています。 伊藤忠食品さん、長年たくさんの笑顔を届けてくれてありがとうございました。次なる優待株との出会いに、胸を膨らませています。
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